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全日本マスターズシクロクロス優勝

第26回全日本選手権シクロクロス

男子マスターズ 35-39

順位:第1位

開催日:2020年11月28日

会場:長野県飯山市長峰スポーツ公園

天候:雨

コースコンディション:マッド

 

昨年は第2子出産予定日と重なった為、全日本エリートの出場は見送っていた。全日本エリートは、プロ選手も出場し、全国を転戦しないとスタート位置に関わるポイント獲得も難しく、未就学児の子持ちサラリーマンにとっては完走すら厳しい。何度か出たが、完走できたのは一昨年の雪のマキノのみ。そんな中、昨年12月の全日本マスターズ35-39クラスで同じC1、同い年の東海で活躍する落合さんが優勝したことを知る。マスターズ35-39クラスは昨年から設けられた。レベルの高い40-49クラスと混走できるのも楽しみ。ということで、昨年12月に出場を決め、マスターズ35-39クラスでの優勝を目指すことにした。

 

昨シーズンの終盤にディスクブレーキのFOCUS MARESを導入。これまで乗っていたRidley X-nightとポジションを合わせきれずに苦戦。ROSEシクロクロス後には、合わないまま高強度で走ったこともあってか、人生初のぎっくり腰になり、体もボロボロの状態。日常生活さえ困難だった。その内にコロナの影響で在宅勤務が始まる。最近、体が硬くなってきて、ぎっくり腰になった気もしていたので、通勤に費やしていた時間を使って、ストレッチするようにした。また、全くしていなかったランニングや平日のサイクリングも行なうようにした。そのおかげか、ぎっくり腰は完治し、3km走ると筋肉痛が出るということもなくなり、サイクリングでの区間タイムもベスト更新し続けた。MARESにもロードタイヤを履かせてロードバイクと交互で走り、ポジション合わせ完了。

 

そして、シクロクロスシーズンに突入。初戦の五條シクロクロスは優勝。関西第1戦の紀の川は2位。調子は良かったが、優勝したネクストステージの川村君はさらに上を行っていた。全日本1週間前のマキノは、全日本マスターズのスタートポジションを上げる為に参戦。計画通りに優勝して200ポイントを獲得し、全日本でのスタートポジションを上げることができた。また、初めてマスターズのトップ選手達と走ることができ、どんな速さなのか走りなのかを知ることができた(マキノで2位だった田崎さんは富士ヒルクライムで2度優勝している人だと全日本後に知ってびっくり。フライオーバー後の登りで追い抜く時に速いと言われたけれどヒルクライムしたら絶対に負ける)。

 

全日本1週間前になり、天気予報も分かってきた。どうも雨予報。雪になる手前の雨ということで、低体温症のリスクが高い。寒さは苦手で、5月から泳ぎ始める学生時代のスイム練では真っ先に震えが止まらなくなりダウンするし、冷たい雨のシクロクロスでも要救護者になること多数。着込むと雨水や泥水を吸い込んで重くて走れなくなり順位がガタ落ちすることもある。寒さが今回の一番の不安材料。レース前日に上下ウェアとベスト、キャップ、レッグウォーマー、手袋に防水スプレーを吹き付けて、登山用インナー、防水ソックスも準備した。試走など濡れたら着替えられるよう、着替えも多数準備した。

 

レース前々日は残業で帰宅が遅くなったので早めに寝て、休暇を取ったレース前日の金曜から遠征準備開始。日曜月曜はマキノでレース、火水木は詰め込んで仕事していたので、金曜からやっと準備に手を付けられた。昼過ぎに、今回のサポートをお願いした大学生の丹羽君を拾って長野に向けて出発し、開催地の手前の松本で宿泊した。翌朝は、残り100kmほど走って開催地の飯山に到着。昨年までの関西クロスのレース開始時刻12:30と同じ12:30スタートなので、慣れているレースまでのタイムスケジュールで過ごすことができた。ごはんを食べるタイミングなど、慣れているリズムは大事。

 

雨が弱くなったタイミングを図りながら試走開始。3周ほど走った。林間区間は下りなのでケンケン走法をすれば結構走れた。その後の階段とゴール地点上側のキャンバー区間は降車が必要。ランニング大会という声も聞いたが、数年前の宮城県の菅生大会や昨年の雪のマキノ大会の全日本に比べたら乗車区間は多数あった。ギリギリ乗車可能という区間も多く、ランニングは苦手だけど、割と有利に走れそうな印象。雨で水分の多い軽めの泥で、ツルツルしている路面は、楽しめるし得意。昔の北神戸大会を思い出した。試走中の受付、試走後の洗車は、丹羽君に全てやってもらって、非常に助かった。おかげで体を冷やすことなく、スタートまで過ごせた。

 

そしてスタートラインへ。2番ゼッケンで1番コール。マキノの200ポイントが効いた。40-49クラス(38名)と同時出走だと思っていたが、35-39クラス(12名)が1分差で先行スタート。結果的には、少人数なのでマキノでポイント取る必要はなかったけど、マキノ走って、40分レースや40代の強豪者と走る経験ができたので良かった。

 

そしてスタート。直後に先頭で飛び出したが、すぐに昨年チャンピオンの落合さん(今回2位)に抜かれる。その後、泥区間が始まってから高野さん(今回3位)にも抜かれる。3番手で泥区間のちょっとした登りに突入。追いかけるつもりはなく、落車に巻き込まれそうな気がしたので少し間隔を空けておいた。落車まではしなかったが、前でわちゃわちゃとなった。想定内だったので慌てることなく、次の長めの舗装路では再び先頭に出た。

 

その後、滑りやすい右カーブの逆バンク区間へ。試走時とは状況変わっているし、スタート直後の先頭通過なので、どこまでグリップするか分からないので慎重にクリア。後ろを走っていた高野さんはツルッと落車。ここで後続と差を空けた。次は、濡れた芝生の激坂区間。さらに後続と差を空ける為に遠慮なく踏み込んだ。その次は、滑落者続出のキャンバー区間。ランニングは不可能、立つことさえ困難で、滑落しないように慎重に歩いた。滑落しないでクリアしたが、すぐ後ろには落合さんが。あとで知ったが、反則じゃないかと思うくらい長いスパイクを付けていたようで、この区間では詰められるので焦った。焦って走っても滑落間違いなしなので、この区間は我慢。

 

その次は林間の下り泥区間。試走時は結構乗車できたが、レース時には踏み荒らされていて、思うように乗車ができなかった。それでも他選手よりも乗車していたようで、レース後のカメラマンに関心された。JCFサイトには、「ほとんどの人が乗車せずバイクを押す林間スラロームセクションで片足で巧みにバイクを進めた」と書かれて嬉しい。ここを越えると、最もきつかった階段区間。オーバーペースで歩いてしまったが、後続とは差が開いているので無理せずにこなした。

 

2周目に入ると、早くも40-49クラスの生田目さんが、僕は歩くしかないキャンバー区間を走って追いかけてくる。1分差スタートなのに早過ぎる。林間区間に入り、生田目さんは速いラン、僕は乗車メイン。階段区間に入ると、僕はヘロヘロ、生田目さんは力強く登っていく。エリートレースでも勝負所となったここで追い抜かれた。その後は乗車区間。芝生がめくれておらずグリップするラインを選びながら追いかけた。乗車区間はこちらが得意な様子。舗装路で抜き返して、ゴールライン手前の滑りやすいキャンバー区間へ。前後輪が横滑りするような区間で走っていて楽しいが、落車したらタイムロスするので集中しながら走行。そこを生田目さんは降車。ここでは離すことができた。

 

ゴールまで、ラン区間では負けて、乗車区間で離すという展開。

順位付けはクラス別で行われるが、1分差スタートの人には絶対に負けたくないので頑張った。追いつかれてから抜きつ抜かれつだったが、最後は5秒差で競り勝った。

35-39クラスの2位の落合さんとは2分35秒差で優勝。

結果としては大差となったが、滑落したり、寒さで動けなくなったり、バイクトラブルがあったら、負けていたかもしれない。トラブルが出やすいコンディションで、落車0、トラブル0にできたことが勝因だったと思う。寒さ対策は万全だったので、表彰式では震えなかったのも良かった。反省点としては、スパイクピン選び。生田目さんも長いスパイクピンを使っていた。今度準備しておこう。

 

あとで知ったが、40-49クラスのレベルが予想以上に高い。富士ヒルクライム、乗鞍ヒルクライムニセコクラシックなどの大きな大会で優勝するような人達。凄い人達と走っていた。ロードでは足元にも及ばないが、シクロクロスでは勝負できるので、シクロクロスって面白い競技だ。

 

今回、多くの人にお世話になりました。

後片付けまでサポートしてくれた丹羽君、写真撮影してくれた小松さん、応援いただいた中田さん、何度も声をかけていただけて心の支えになった島本さん、現地情報や雨用インナー情報をいただいた川村君、走りごたえのあるコースを作っていただいた三船さん、その他、多くの方々に感謝します。

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スタート直後の泥区間

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立つことさえ困難な滑りやすいキャンバー 滑落者が続出

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冷たい雨レース 寒さ対策は入念に

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乗車できるところで差を広げた

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40-49の生田目さんのランが速かった

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階段が一番きつかった

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表彰台の真ん中に立てた

バイク(1~2周目):Ridley X-night Vブレーキ
タイヤ:VittoriaテレーノMixチューブラー33c 前後1.6気圧
バイク(3~4周目):Focus MARES ディスクブレーキ
タイヤ:VittoriaテレーノMixチューブレス33c 前後1.6気圧