全日本シクロクロスマスターズ40-49 1位
開催日:2024年12月14日
会場: 宇都宮ろまんちっく村 0.7km+2.7km×6Laps
天候:曇り
コースコンディション:芝生、泥、砂、土
リザルト:1位/46名出走
バイク:OnebyESU JFF#807z
タイヤ:Vittoria テレーノMix TL 31c 1.67bar/1.70bar

今季は全日本エリート完走を目指すか、全日本マスターズ5連覇を目指すか迷いながらも、5連覇を目指すことにしました。5連覇した竹之内悠選手や56さんに並びたいこと、マスターズも年々レベルが上がっているので決して現状維持ということはなく、挑戦しがいのある目標だからです。
ニセコクラシックや富士ヒルクライムの優勝経験のある熱い心の田崎さん、ロードやヒルクライムでは絶対に勝てない藤田さんや太田さん、全日本WNPで2位の石川さん、前回全日本で2位の斉藤さん、全日本マスターズのロード、MTBで勝ってきて今年はシクロクロス優勝を狙う白石さん、他にも強い人多数の中で優勝を争うことになりました。

1週間前の関西戦のマイアミでは冷たい大雨に降られて、片付けが大変になるところでしたが、ネクストステージの島本さんに砂と泥だらけのバイクを預けて、洗車、整備、宇都宮までの運搬をやっていただき、非常に助かりました。私は、リムブレーキのリドレー1台を輪行して宇都宮駅まで新幹線移動し、宇都宮駅から10km強を自走しました。お昼に会場に着いてから14時半から16時まで、試走時間をフルに使ってじっくり試走しました。強度を上げて走ることはせず、あえてゆっくりと勢いを付けずに三段坂を登ったり、あえてオーバースピードでコーナーに突っ込んでみたりと、どんな状況でも対応できるように繰り返し練習しました。

徒歩圏内のホテルに戻ってからは、時間がたっぷりあるので、ゆっくりごはんを食べて、ヴィラデアグリの温泉に入って、明日の天気を確認。雨はなさそうだけど、最終の40代クラスの時間帯は気温が下がって、北風も強くなりそうと確認して、あらゆる想定をして、どう走ろうかと考えていました。夜10時頃には布団に入るようにしましたが、考え過ぎた為か全く眠れず、いつまでも心臓がバクバクしている状態で朝を迎えてしまいました。いつも通りに朝6時に布団から出て、いつも通りにレース日の朝ごはんを食べて、朝8時前から1時間程度の試走をしました。睡眠不足の割には、特に問題なく走ることができました。家族全員で行った土浦全日本の時も、子供が夜中まで騒いで全く眠れませんでしたが何とかなったので、今回も大丈夫だと思うようにしました。

早朝は路面が凍結するほど寒かったのですが、どんどん気温が上がり、日差しもあって風もなく午前のレースは暖かく、40代クラスの時間帯は想定外に暑いかもと思いましたが、昼過ぎから天気が急変しました。北風が強くなり、日も遮られ、寒くなりました。でも、想定はしていたので、前週のマイアミや、昨年の全日本ほどは荒れなかったので、そこまで動揺することなく準備を進めました。最も気にしていたのは、気温変化に伴うタイヤ空気圧の変化で、朝から正午で+0.3bar、正午から13時過ぎで-0.1barくらい変化していました。空気圧はレース直前に最終調整しました。


スタートは、前回と同じ最前列の右端から2人目の位置でした。スタートダッシュは周りを見ながらペース調整して、2番手で最初のコーナーを通過しました。砂区間はできれば先頭、悪くても3人目までに突入できるよう、周りの様子を伺いながら芝生路面を走っていきました。特にアタックされるような動きはなく、予定通りに先頭で砂区間へ入りました。前週のマイアミでは、同じタイヤ同じバイク同じ空気圧で走っていたので、何も恐れることなく砂区間をクリアし、続く三段坂は、飛ばし過ぎてハンドル曲げないよう、チェーン落ちさせないように静かに進入して登っていきました。前日試走で、助走なしでも、フルパワーでなくても登り切られるように繰り返し走っていたので特に問題ありませんでした。続く林間区間は、スピードを殺さないように大回り気味に走り、ちょっとした根っこは飛び越えるように直線的に走るようにしました。続くキャンバー下りからの登坂は、しっかりと減速してコーステープを擦らせながら大回りに曲がって乗車クリアしていきました。砂→三段坂→林間→キャンバー下り→登坂は、昨年と同様に、全周回をノーミスで乗車クリアできて、ライバル達に差を付けられたと思います。その分、平坦区間で足を休めて、ここの区間で集中するようにしていました。




1周目は狙い通りに先頭で砂区間に入り、続く区間も先頭通過していきました。山区間で後続を離し切っていれば、最後まで単独で逃げ切ることを考えていましたが、北風が強く、田崎さんらが後ろにぴったりで、後続も多数という状態だったので、単独逃げ切りは諦めました。
2周目も先頭で砂区間に入って、山区間をこなしても後続は離せず、後続多数でした。今年は皆さん速かったです。田崎さん、田邊さん、白石さんとパックで走行し、芝区間では千切られそうになりながら走っていました。白石さん先頭でシケイン通過後、北風が強く、前を牽きたくないのか急に失速して、僕も積極的に前を牽くつもりはなかったのでお見合い状態になりました。すると、シケインを飛んで来た斉藤さんが、そのままの勢いで単独先頭となりました。2番手集団を僕が牽いて、山区間前に足を使いたくなかったので、ペース控え目で走りました。その為に、斉藤さんからはジワジワと離されていきました。この時のラップタイムがゆっくりだったのは、平坦でゆっくり走ったからだと思います。


そして、砂区間山区間を先頭で入って、ペースを上げて斉藤さんに合流し、後続を数秒離しました。ペースを上げる斉藤さんの後ろに付き、休みつつも後続をさらに離していきました。泥キャンバーを降車して走る斉藤さんが非常に速くて驚きました。後で知りましたが、長いスパイクピンを付けていたようです。良い感じで2人パックになり、さらに後続を離していこうと思っていたのに、シケインジャンプに失敗した斉藤さんが前転転倒。大丈夫かと思いましたが、その後、単独で追い上げて来るほどだったので、全く大丈夫だったようです。斉藤さんを失って、残り3周程度は単独走で走りました。平坦は控え目にして、山区間でペースを上げるようにして走りました。

単独で走っていても、後続を少しずつ離していることの確認ができたので、無理に追い込むことはせずに、転倒したら大きなタイムロスになる泥キャンバー等は慎重に走るようにしました。最終周の後半に、斉藤さんが一気に追い付いて来ましたが、スプリント勝負になっても勝てる自信はあったので、最後までマイペース走行でした。昨年と同様、斉藤さんとは1秒差で勝つことができました。スタートで最後尾になってしまった藤田さんが3位に入り、関西勢で表彰台独占をすることもでき、非常に嬉しかったです。

約1か月前に肋骨を骨折し、気胸までなってICUに入っていた田崎さんは、スタートラインに立つことも驚きましたが、一時、先頭も走るほどで、本当に驚きました。斉藤さんは、今季はM1で走っていて、常勝というほどでもなかったので、全日本は十分に勝てるだろうと思っていたのですが、平地で速く、シケイン落車後や最終周の追い上げに凄さを感じました。今回、最も警戒していた白石さんは、僕がシクロクロスを始めた頃は雲の上の存在でした。いつも笑顔で楽しそうに走っていて、とても速い印象でした。琵琶湖GPの時は、初めて本気で勝負を挑まれて、ずっと観察されていて、すぐ後ろまで追い付かれて怖い印象になり、必死に逃げました。全日本までの4週間も勝てるように、いつも以上に準備してきました。そして、無事に5連覇を達成できました。

色々とサポートいただいた岩井商会のみなさん、関西シクロクロスのみなさん、ワンバイエスのバイクを作っていただいた上司さん、バイク運搬や整備をしていただいた島本さん、本当にありがとうございました。来年は、一旦、連覇の目標は休んでエリートで走ろうと思います。2025年はJCFエリートで登録しました。UCIレースで賞金圏内、全日本エリートで完走を目指します。異常な雪のコンディションになった全日本マキノ以外で完走できたことがなく、全日本エリートでは一度も力を出し切れたことがなく、元気な内に走りたいと思います。
