前回書いたkPa(キロパスカル)って何?と言う声が多かったので、圧力単位についてまとめてみた。世界一般的にはPa(パスカル)を使いましょうとなっているが、確かに身の回りの自転車乗りの間では、「今日は180kPaにした」、「700kPaにした」とは言わず、1.8barや7.0barと言っている。
kPaからbarにする時は、ちょうど100分の1にすればいい。ざっくりなら、1.8気圧や7.0気圧、1.8kgf/㎠や7.0kgf/㎠(または、1.8キロや7.0キロ)と言ってもいいと思う。厳密には少し違う(詳細説明で後述)。個人的にはkPaを使いたいが、自転車乗りはbarを使うので、今後はbarを使おう。前回のグラフをbarに変えた。
ちなみに、psiという単位もある。psiであれば、ざっくりと26psiや102psiとなる。psiは1平方インチ当たりに1ポンドの力がかかる時の圧力。非常に分かりづらいが、アメリカでは一般的な単位。アメリカ出張に行った時、自動車タイヤ用の圧力計はpsiだった。アメリカの自転車乗りもpsiを使うのだろうか?
アメリカへは、日本と同様の測定をアメリカでも行えるようにするという目的で行った。自動車の速度表示はマイル、温度計は℉。これくらいは知っていた。びっくりしたのは、図面に1.5って書いてあり、何かと聞いたら、1フィート、5インチの長さだって。また、ネジ太さ、ネジ切りピッチも、普通はメートル基準なのにアメリカだけはインチ基準で作る。A4やA3の紙も流通していないらしく、レターやリーガルという規格。仕方なく、測定結果の報告書フォーマットを見直した。大変な出張だった。
圧力の単位の詳細説明
1平方メートル当たりに1N(ニュートン)の力がかかる時の圧力を1N/㎡と表して、1Paとも書く。1Nとは力の単位。地球上の重さで言うと、だいたい100グラム。りんご1個くらいかなと思って実測してみると350グラムあったので、りんご1個は3.5Nくらいの重さ。
■kPa(キロパスカル)
ご存じの通り1000g=1kgのように"k"は1000を表す。だから、1kPa=1000Pa。
■hPa(ヘクトパスカル)
台風で960ヘクトパスカルなどとよく聞く。"h"は100を表す。だから、1000hPa=100000Pa=100kPa。
■bar(バール)
自転車乗りは、kPaよりもbarを使う。また、僕が小学生の頃の台風情報では960mbar(ミリバール)と言っていた。"m"は1/1000を表す。
1bar=1000mbar=1000hPa=100000Pa=100kPa
■kgf/㎠(キログラムフォース パー平方センチメートル)
1平方センチメートル当たりに1kgfの力(俗に言う1kgの力)がかかる時の圧力。
1kgf/㎠=約98kPa(ざっくり1kgf/㎠は100kPa)
■atm(個人的にはエーティーエムと呼ぶ。一般的にはアトムと呼ぶ?)
1気圧のことで1atmと書く。
1atm=約1013hPa=約101kPa(ざっくり1atmは100kPa)
■psi(ポンド パー平方インチ)
1平方インチ当たりに1ポンドの力がかかる時の圧力。1インチは2.54cm、1ポンドは約0.45 kg(450g)。想像付きにくいが、1psi=6.89kPa=0.0689bar。
1bar=100kPa=約14.5psi。