ロードバイク自由研究 感覚の数値化 

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全日本シクロクロス選手権 マスターズ40-49 優勝

第29回全日本シクロクロス選手権 1位

開催日:2024年1月13日

会場: 宇都宮ろまんちっく村  0.5km+3.0km×5Laps

天候:雪

コースコンディション:セミウェット

リザルト:1位/38名出走

バイク:Ridley X-night

タイヤ:Vittoria テレーノMix TU 1.8bar/1.8bar(テント内)

表彰台

40代クラス2連覇、30代クラスを含めると4連覇のかかる全日本は、今期も無事に優勝できました。

雪が降る中、ゴール

自宅から車で約600kmの宇都宮。移動疲れしないように飛行機&新幹線移動。1/7の希望が丘後、ネクストステージの島本さんに汚れたままのバイク2台を預け、私自身は飛行機+新幹線+路線バス移動して前日試走に間に合うように宇都宮に向かいました。洗車やチェーン清掃、全日本後のバイク輸送もお任せして、楽をさせていただきました。

右側へ

宇都宮は初めての会場で不安だらけ。過去に出場したことのある関西メンバーから事前のコース情報を聞いて、キャンバー、砂、山があって、希望が丘、烏丸、マイアミを集めたようなコースだとのこと。面白そうなコースだと思っていて、実際に走ってみても面白いコースでした。しかし、1週間前は晴れ予報だったのに、開催日が近づくにつれて雨または雪予報。出発前日に、どんな天気になっても対応できるよう、ウェア類は多めに持って行きました。

寒いので着込んでスタートを待つ

会場に着いてからの前日試走は、2時間フルに使って入念にコースチェック。簡単そうに見えても、スピードを上げていくほど難しくなるコースだという印象でした。三段坂は、あえてゆっくり登ったり、砂は、あえて轍を外して乗ってみたり、キャンバーは、あえてオーバースピードで走ってみたりして、どんな状況でも対応できるように。

第1コーナー

スタート前は、暖かいVittoriaテントを使わせてもらい、中で汗をかかない程度に10分弱だけ低負荷でローラー台を走りました。朝まで日差しがあって暖かかったのに、レース直前の13時半頃になって雪がちらつきました。寒いのは苦手。でも、厚着し過ぎると体の動きが悪くなるのでウェア選びは慎重に。薄手の汗冷えしづらいインナーと、薄手の長袖インナーを重ね着してワンピースを着用。40分のレースは、後半は吹雪いて7℃から1℃になったらしく、厚手の長袖インナーにしておいた方が正解でした。手袋も薄手のものだったので、厚手の方が良かったです。タイヤ空気圧は、暖かいテント内での調圧だったので少し高めの1.8barにしておきました。ボイル=シャルルの計算上、10℃低下で約0.1bar(10kPa)下がるので。

タイヤ空気圧と温度 - ロードバイク自由研究 感覚の数値化  (hatenablog.com)

単独先頭で三段坂へ

斉藤さん、田崎さん、藤田さん

スタート位置は、調子が良かった先週の希望が丘と同じイメージになるよう、第1右コーナーのイン側に当たる右側へ。いつも通りに36x25に合わせてハイケイデンススタート。國分さんがホールショットを取り、私は2番手で第1コーナーを通過しました。後続集団の気配を感じつつ、混雑に巻き込まれない間隔を取って砂区間へ。落ち着いて轍をトレースして、先頭単独で三段坂へ。確実に乗車クリアして、林間区間も試走チェックした通りに楽できるラインを選んで通過。林間区間を抜けたら後続を離していたので、このままゴールまで独走していこうと走っていたら、攻めたわけではないのに赤レンガ風の舗装部分でツルッと落車してしまいました。湿雪が溶けて濡れていたので滑りやすくなっていました。落車したのは失敗ですが、バイクにも体にもダメージがなくてラッキーでした。

斉藤さんは乗車

私は飛べない

せっかく抜け出していたのに、後ろから来た先頭集団と合流。コントロールラインまで気持ちを落ち着かせるように先頭集団内で走りました。強い56さん、田崎さん、太田さんよりも先行しているので焦る必要もありませんでした。2回目の砂区間からも1回目と同様に先頭に出て、単独で三段坂を無理なく乗車クリア。林間区間通過後は、斉藤さん、國分さん、藤田さんと4人ほどの関西メンバーで後続を離していました。このまま関西メンバーで上位独占だと思いながら先頭を走っていました。

雪で寒かった

滑りやすいコースの奥のキャンバー折り返し区間で、乗車に手こずっていたら、平坦になっている上側から藤田さんが軽々と抜いていきました。藤田さん、私、斉藤さんの順でシケインへ。斉藤さんはシケインを飛んでいき、私は抜かれて3番手。砂利道を藤田さんがガンガン踏んでいき、続く斉藤さんも追いかけ、私はその後ろ。藤田さんのパワーには敵わないので、後ろで大人しくしていました。

スムーズに走れた

そして3回目の砂区間。またまた先頭に出て、先頭単独で三段坂を乗車して林間区間を終えた時には後続と10秒程度の差を空けられました。この時くらいから、吹雪になって冷え込んで路面状態も変化。2回ほど意図せずに前輪滑ったり、後輪滑ったりでヒヤッとしました。それからは、滑りやすいコーナーやキャンバーは慎重に通過して、直線区間は無理しない程度に踏むようにしました。

追い上げる斉藤さんから逃げる

ラスト2周の三段坂は、寒さと疲れで乗車クリアが危うい状態でしたが、たくさんの応援があり、失敗できない良いプレッシャーをいただきました。最終周回も無事に三段坂を乗車クリアして斉藤さんから20秒近い差を確保。途中、斉藤さんに続く藤田さんとも擦れ違って、関西E1メンバー3人で表彰台だと思って、余裕を持って残りを走っていました。

慎重に走る

しかし、十分に差を空けていたはずの斉藤さんが凄い勢いで近づいてきて危険を察知。ピット前の芝区間は踏み込みました。結局1秒差でゴール。斉藤さんの粘り強さは油断できません。そして藤田さんは、まさかの4位。56さんの追い上げが凄かったようです。コンディションが悪化しているはずなのに最終周が最速ラップでした。

差を付けられた砂区間

今回良かったことは、砂区間と林間区間をミスなくスムーズにクリアできたことです。そこで差を空けられたので、他区間で余裕を持てました。寒さ対策も、お腹空かせないようにこまめに食べていたこと、最低限のウェアを着ていたことも良かったです。結果的には急速に冷え込んで体力低下もしていたので、もう少し厚着した方が良かったですが、冷え込まなかった可能性もあるので仕方なし。良くなかったことは、濡れて泥が付いたタイヤで舗装路を走って滑ってしまうことの予測ができていなかったこと、スパイクピンを準備していなかったので滑るキャンバーで手こずってしまったことです。関東ローム層だからなのか関西の泥よりも滑りやすく感じました。今回、飛行機移動だったので、スパイクピン回収されてしまうのではないかと持って行くことを躊躇していました。次は新幹線移動にします。

この3人で表彰台に乗りたかった

来シーズンの全日本は12月で同じ宇都宮。全日本エリートやUCIレースに出たい気持ちもありますが、色々と状況を考えると、また同じ全日本マスターズに出るのが良いと考えました。40代は層が厚くて挑戦しがいのあるカテゴリー。バイク輸送、洗車、ピット、写真撮影など、応援いただいた方々もありがとうございます。来シーズンもよろしくお願いします。

ラップタイム

オリンピックの鐘の人からも応援いただいた